滅菌について
ここでは滅菌と消毒の違いについてご説明します。
「滅菌」とは、読んで字のごとく、すべての細菌やウイルスといった微生物を死滅させる為に行う行為のことを言います。
この様に言いますと、「消毒」と同じように思われがちですが、実はこの2つには大きな違いがあるのです。
「消毒」は、「滅菌」のように有害な菌も関係なく、すべてを死滅させるのではなく例えば感染症が発症しない数まで細菌の量を減らすとか、この強さまでの細菌を死滅させようといった目的を持ってそのレベルまで行われる行為のことです。
従って、消毒剤や消毒薬にも色々な種類があり、日頃私達も傷口の消毒、手の消毒と言うようにその目的に合った消毒薬を使い分けているのです。
このように、「消毒」と「滅菌」には大きな違いがあるわけですが・・・
それでは実際に皆様の治療に使用する機材はどのようにすればいいのでしょうか?
実は、感染予防を考える場合には、人間の体の中や血管の中は無菌状態であると考えます。
ですから、このような無菌の部位に入っていく器具や機材は無菌でなけれならないので全ての微生物を死滅させる「滅菌」を行う事が必要になるのです。
滅菌器の種類
超音波洗浄機
オートクレーブの完全滅菌をする前に予備洗浄として使用します。
切削片やたんぱく質などの手洗いなどでは取れない微細な汚れを薬液と超音波のダブルパワーで落します。
オートクレーブ
オートクレーブとは、130℃の高温高圧の蒸気により器具や機材に付着した微生物がこの高温の蒸気にさらされることで、自身を構成しているたんぱく質が変性を起こして死滅します。
当院では、この滅菌器を使用して完全滅菌された器具を使用しております。
空気清浄機
当院では、「CADR(クリーンエア供給率)」世界No.1の空気清浄能力を誇る空気清浄機を設置しております。(※1)
※1 AHAM米国家電協会調べ
汚れた空気が室内に入っても、人が吸い込む前に素早くきれいにすることができます。
塗料や家具などから発散されるホルムアルデヒド、ニオイ成分のメチルメルカプタン、アンモニアを1時間でほぼゼロに。(※2)
ウイルス・カビ・細菌はわずか20分で99.9%以上除去することができます。(※3)
※2(株)環境管理センターによる臭気除去性能評価試験結果
※3(財)北里環境科学センターによる実験結果
器具の滅菌について
1.タービン
タービンと呼ばれる機械は、虫歯治療など様々な治療で歯を削る際に使用されるものです。患者さまのお口の中に入る器具なので、もちろん全ての患者さまごとに滅菌された状態で使用しています。
2.バー
タービンの先に差し込み回転させて使用します。バーには多くの種類やサイズがあり、状況に合わせて交換して使います。
3.外科器具
これらの器具は、抜歯治療などに使用する外科器具です。
外科手術では感染症の恐れがあるため、必ず滅菌された状態の器具が1つ1つパッキングされたものを、治療の際に袋から出して使用しています。
4.歯の中の神経を治療する器具
根管治療の際に使用する器具です。根管の治療の際に、血液に触れる機会が多いので、滅菌が欠かせません。
この器具の滅菌方法としては、超音波洗浄機で洗浄後、1つ1つパックして滅菌しております。
5.ディスポーザブルの使用
当院では、手袋・紙コップ・注射針・紙トレーは患者様ごとに常に新しく清潔な物を使用することで院内感染を予防しております。衛生士によるブラッシンク指導で使用する歯ブラシも、毎回新しい物を使用しております。