歯の予防について
雑誌「プレジデント」の編集部が55~74歳の男女を対象に、「人生の振り返り」に関するアンケートを行った結果、健康について後悔していることの第1位が「歯の検診を定期的に受ければよかった」であることが発表されました。
皆さんは、ご自身の歯についてどれだけ理解しているかを考えられたことはありますか?
今回は、皆さんが歯について少しでも考えるきっかけになればと思い、歯の構成成分をもとに予防についてのお話をしていきます。
歯の構成成分について
歯の表層のエナメル質は、ほとんどがリン酸カルシウムで、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる無機質からできています。
エナメル質よりも内側に象牙質があります。エナメル質と象牙質は硬く石灰化した組織で体の中で一番硬くて丈夫にできています。
さらにその内側に歯に栄養を送る神経、血管が集まっている歯髄があり歯は歯髄から栄養をもらって生きています。
むし歯になって冷たい水がしみたり、痛くなるのは神経が生きている、命があるという証拠です。
①エナメル質 97%、②象牙質 70%、③人骨 60% がハイドロキシアパタイトで構成されています。
ハイドロキシアパタイトについて
ギリシャ語の「アパト」=「惑わす」が語源と言われています。
構成する元素の一部が抜けたり他の元素に置き換わっても基本構造は変わらないとても不思議な物質です。
2003に(株)サンギで開発された超微粒子制御技術によってナノ粒子「薬用ハイドロキシアパタイト」となりました。
薬用ハイドロキシアパタイトの3つの作用
①歯垢の吸着除去
歯の表面の歯垢(プラーク)や口腔内細菌を吸着し除去します。
薬用ハイドロキシアパタイトのナノ粒子は特に虫歯の原因菌であるストレプトコッカスミュータンス菌に対して優れた吸着力を有しているので歯磨きの際、虫歯関連菌を除去し口腔内環境を整えます。
②歯の表面の小さい傷の修復
歯の表面のミクロの傷を埋めて修復します。また表面を滑らかにすることで歯垢や着色汚れがつきにくくなっていきます。
③初期むし歯(★)の再石灰化
歯垢の中の細菌が作り出す酸によってエナメル質の表層からミネラルが溶け出します。これを脱灰と言います。
その後唾液による自浄作用が働き再石灰化されますが酸性の環境が続くと再石灰化が追い付かず虫歯になります。
溶け出たミネラルを補う効果があります。
★初期むし歯=削る治療の一歩手前の状態です。
薬用ハイドロキシアパタイトの
歯科応用
歯科医院で行うプロフェッショナルケアについて
PMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)
当院で行ている自費のクリーニングPMTCではバイオフィルムや着色を除去した後、全歯面に高濃度の薬用ハイドロキシアパタイトを専用の器具を使いすり込みます。
美容室で行うトリートメントのようなイメージです。
プロフェッショナルケアで使用するものはリナメルトリートメントペーストです。
ハイドロキシアパタイトがホームケア用と比べて約2倍配合されています。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニング後には色素を吸収しやすくなるため色の濃い飲食物を控えていただいています。
オフィスホワイトニング直後に使用することで色素浸透の予防効果が期待できます。
自宅でのセルフケアについて
自宅で簡単にできるケアとしては毎日の歯磨きにリナメルホームケアペーストの使用をお勧めいたします。
小児用のマスカット味の歯磨剤も取り扱っております。